「ひとなる」とは子育てではなく、子育ちはこどもは神様からの授かりもの、その子の生命にそってえみんなの世話で「ひととなり」人間らしく育つという日本古来の子育て観です。
昔は子だくさんで、親は忙しく上の子が下の子の面倒をみたり、塾やお稽古もなく、自由な時間に豊かな自然(野原、山、川)の空間で下の子を引き連れ年齢の違う仲間や同年代の仲間でこどもの世界がありました。
ギャングエイジと言われ、大人のいない中で、こどdもは人と関わり折り合いのつけ方、コミュニケーションを学び、育ちあったのです。
今は、こどもの群れはなく、子育ては自己責任と言われ、子育てに不安を持つ親が増えています。転ばぬ先の杖と心配し、いろいろ準備することや失敗をしないよう教えることが親の仕事と考える親が増えています。こどもはいつも初めてのことを体験し、うまくいかない事も経験し、物事や方法を見つけ体得し自分のものにしていくのです。こどもが見つけ、自分のものにするためには、失敗を重ねる時間も一緒に励まし、教えてくれる仲間も必要です。
昔はこどもだからと、待ってもらう許容範囲が広かったと思います。
今、心を病み苦しんだり、引きこもったりする子供が増えていますが、その子ども達の共通の症状は「イヤ」と言えないことです。「どうしたいの」と聞いても「わからない」「好きなのか」「嫌いなのか」「やりたいのか」自分の気持ちがわからないようです。
自分の気持ちが基準にならず、「すべきかすべきでないか」「良いか悪いか」「正しいか、正しくないか」いつも世間の基準や評価、どう皆が思うかで決めているようなものです。どうしたいかということは、内から出るもの、そしてやりたいと思う意欲や好奇心がこどもが育つ原動力です。
その力が育っていない子ども増え、子どもが壊れているといわれています。どの子も育つ力があり、人や自然との関わりの中で変わることができます。そして生き物は人間をはじめ、一つ一つ、一人ひとり違うのです。
人間の土台が育つ乳幼児期、一人ひとりの子どもの違いを大切に、ありのままの子どもの姿を大切に接していきたいと思います。
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