子どもは食卓で様々なことを学んでいきます。親の姿をみて、真似をしながら、お茶碗への手の添え方や箸の持ち方など上手に食べる作法を覚えていきます。
話しのきき方、話出すタイミングといった人間関係を営むために必要な知恵や勘所も身につけます。親たちの話を聞いて、「大人はそういうふうに考えているんだ」と物事の判断基準や価値観も、感覚的に取り入れていくのです。
しかし、最も大事なのは、子どもが自由自在に話せることです。慣れ親しんだ手作りの料理を食べながら、一日の出来事を話して、お父さんやお母さんなどから「よかったわね」「残念だったね」と言葉をかけられる。子どもは何でも安心して話せる。ホッとしたり、「これでいいんだ」と思える場であることが大切なのです。大人は子どもの気持ちを受け止め、言葉を添えて、心の栓を引っこ抜いてやる。それが食卓での家族の団らんなのです。
親子でのクッキングもおすすめです。「切る」「皮をむく」など年齢や発達に応じでできることを任せるのです。ただし、子どもが料理を作った時、「やればできるじゃない」「味が薄い、いまいちね。」などと、批評や指示をしてはいけません。これは、子どもの心を踏みつけることです。失敗作になったとしても、「ちょっと変わった味でおいしいよ」と受け入れてやりましょう。
家族で食の時間を共有することで、子どもは食べ物とともに、人との関わりを「食べて」、体も心も成長していくのです。
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