お子さんの離乳食としても、お米は最初に食べさせる食材です。それほどお米は私たちの生活に浸透しているのと同時に、子どもにとっても食べやすく、万人が日常的に食べるのに適した食材といえます。
お米の消費量や生産量は日本全体では減少傾向にあるものの、新しく品種改良されたブランド米や、玄米、黒米、雑穀米と、こだわりのバリエーションを楽しむ方は増えています。その中でも、玄米や雑穀米を選ぶ方が増えており、その理由として多いのはやはり「カラダに良さそうだから」というもの。大人がカラダにいいから、と言って食べるものが、果たして子どもにもいいものなのでしょうか?
大人と子どもの大きな違いは、子どもは大人と比べて消化器官が未熟なことにあります。卵や小麦、牛乳などのアレルギーが子どものころは出やすくても、大人になって消化器官が発達していくと自然と出なくなる、というのはそのため。
そして玄米というのは、精製していない、糠がついたままの状態のお米のこと。殻が硬いので、炊飯方法次第では柔らかく炊き上がらず、お腹を壊してしまう方もいらっしゃいます。せっかく栄養価が高い玄米でも、お腹を壊してしまっては消化吸収ができないし、全く無駄になってしまいます。そんな玄米を、子どもに食べさせてもいいものでしょうか?
玄米と白米の栄養を比べてみると、玄米のほうが断然栄養価が高いのがわかります。カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分も豊富だし、ビタミンBやナイアシン、そして食物繊維も豊富です。「玄米菜食で病気治し」をする人もいるぐらいですので、どうやら玄米がカラダによさそうである、とわかります。しかし玄米は硬い糠層に包まれていて消化吸収しづらいこと、フィチン酸やアブシジン酸という栄養阻害物質が含まれていることから、その賛否が分かれるところ。一体玄米って、カラダにいいのか悪いのか、どちらなのでしょう。
お米、そして玄米がカラダにとっていいものであることは、間違いないのですが、注意したいのは、「どんな玄米でも良い」ということではないということ。消化吸収しづらい玄米は、その炊飯方法を間違うと却ってお腹を壊すこともあります。まずは消化吸収しやすいように炊飯、調理することが大前提となります。
これは玄米に限ったことではなく、すべての食材にも言えること。いくらカラダにいいからといってたくさん食べても、それを消化吸収できていないのであれば、全く無駄であるばかりか、むしろカラダに悪影響があります。玄米を食べたらお腹を壊す、という方は、その玄米の炊飯方法に問題があります。
また、どんな玄米でもいいわけではありません。玄米も農作物。お百姓さんが丹精込めて育てたものです。そのときそのお米にどんなエネルギーが込められているかによって、食べ物としてのお米の質が変わってきます。
大量に生産するために農薬をたくさん使って作られたものだと、その農薬自体がまずカラダにとってよくないものですし、そこに込められた食物としてのエネルギーも低くなってしまいます。しかしお百姓さんが心を込めて農薬を使わず丁寧に育て、太陽や土の自然のエネルギーを存分に吸収しているお米はそのエネルギーが高くなります。どうせ食べるのであれば、そんなエネルギーがたくさん詰まったお米のほうが、ココロとカラダを元気にしてくれます。
そして食べた食材が本当に自分にとっていいものかどうか、きちんと見極めることも大切です。そのためには、日々のお通じをきちんと観察してみてください。お通じは、大きなお便りと書きます。これは自分の状態を教えてくれる、カラダからのメッセージなのです。
大人も子どもも同じ人間。大人にとっていいものは、子どもにとってもいいものです。ただ、きちんと消化吸収することができて、かつ子どもの育つ力を助けてくれるようなエネルギーをたくさん持っているかどうかが重要です。そして私たち人間にとって、「本当にカラダにいいものって、どんなものなんだろう?」を考えたいですね。
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